メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

沖縄の民俗信仰の風習に…

[PR]

 沖縄の民俗信仰の風習に「マブイグミ」がある。マブイは魂、グミは込めるの意味で、人が何かのショックで落とした魂を元に戻す儀式である。落とした場所で呪文(じゅもん)をとなえてマブイを呼び戻すのだという▲このマブイは太平洋の島々に広がる「マナ」という呪力への信仰がルーツという説がある。南太平洋の島々のマナは人間のほか道具などにも宿り、部族長の強さも、速いカヌーの性能もみな強力なマナをたくさん持つおかげとされる▲このマナ、マブイのように人から出たり入ったり、他に移ったりするのが特徴らしい。強盛を誇った部族長も老齢などにより期待された力を発揮できなくなると、マナを失ったとして声望も失墜した▲こちらはあちこちでマナを失い、東京都議選で惨敗の憂き目を見た安倍晋三(あべしんぞう)首相である。小欄はかつての衆院選大勝の際に首相がため込んだ大量のマナに注目したが、いざそれを宿願の改憲に用いようという段になってのガタ減りだ▲今さら列挙もしたくない昨今の政権の失態の数々である。とくに国民の疑念に答えようとせぬ権柄(けんぺい)ずくには怒るよりあきれた方も多かろう。地方選ながらこぼれたマナの受け皿を持つ小池百合子(こいけゆりこ)都知事が圧勝したのは成り行きだった▲過去の内閣支持率低落の折には経済優先の呪文でマナを戻した首相である。今度もこのまじないと内閣改造などの儀式で霊力を回復できると踏んでいるのか。それとも失ったマナは取り戻せなくとも、ろくな受け皿はないと見くびっているのか。

    おすすめ記事
    広告
    毎日新聞のアカウント
    ピックアップ
    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 八戸女児切りつけ 殺人未遂容疑で少年を緊急逮捕

    2. 3分でわかる政治の基礎知識 眞子さま、佳子さまは… 配偶者や子どもも皇族?女性宮家

    3. 青森・八戸で女児が見知らぬ男に首切られる 防犯カメラに男の姿

    4. 八戸女児切りつけ 殺人未遂容疑で14歳少年を逮捕 「殺すつもりだった」供述

    5. 日本は本当に安全な国か 犯罪は少ないのに治安の悪化を体感する理由

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    今週のおすすめ
    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです