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/3 ゆがむ社会、怒り弱者に みんなの意識に潜む“障害”

障害者支援の仕事をしながらテレビ出演も果たす玉木幸則さん=兵庫県西宮市で2017年6月16日午前11時10分、長尾真希子撮影

障害者しょうがいしゃ支援者しえんしゃ当事者とうじしゃ 玉木幸則たまきゆきのりさん

 障害者しょうがいしゃ自立支援じりつしえん長年続ながねんつづけ、NHKEテレの情報じょうほうバラエティー番組ばんぐみ「バリバラ」でコメンテーターもつとめる玉木幸則たまきゆきのりさん(48)。自身じしん脳性のうせいまひで手足てあし言語げんご障害しょうがいがある玉木たまきさんが、この1年間ねんかんかんがえずにいられなかったことは--。【まとめ・長尾真希子ながおまきこ

    結局人けっきょくひとごとなのか

     相模さがみ原障害者施設殺傷事件はらしょうがいしゃしせつさっしょうじけんのことは、この1年間ねんかんかんがえずにはいられませんでした。事件じけんは、障害者差別しょうがいしゃさべつ解消法かいしょうほう施行しこうから4か月目げつめきました。この法律ほうりつは「障害しょうがいがあるひともないひとも、たがいに、そのひとらしさをみといながら、ともきる社会しゃかいをつくることを目指めざす」ためにつくられました。

     しかし、事件じけんきました。事件じけんこした被告ひこく衆議院議長宛しゅうぎいんぎちょうあてにいた手紙てがみは、事件じけん予告よこくするような内容ないようだったといわれていますが、実際じっさいなにかれていたのでしょうか。そもそも障害者しょうがいしゃ集団しゅうだんらしていなかったら19にんくならないし、26にんきずついていなかったのではないでしょうか。なぜメディアはもっと報道ほうどうができなかったのかとおこっています。あの事件じけん結局けっきょくひとごとなのでしょうか。

    社会しゃかいへの不安ふあん恐怖きょうふ

     「バリバラ」には、被告ひこくかんがえに共感きょうかんしたという手紙てがみやく100通届つうとどきました。障害しょうがい重度じゅうどであればあるほど、生産性せいさんせいがない(経済けいざいへの貢献こうけんひくい)から、社会しゃかいには不要ふようという主張しゅちょうです。このうち2ふたり番組内ばんぐみない緊急対談きんきゅうたいだんしました。

     対談たいだんした結果けっか、2ふたりとも「自分じぶんもいずれ社会しゃかいからてられるんとちゃうか」という不安ふあんこわさをかかえていることにづきました。そのうち1ひとりかたは、自身じしんにも発達障害はったつしょうがいがあり、周囲しゅうい公表こうひょうすることで、社会しゃかいから疎外そがいされるという恐怖きょうふなかきているとのことでした。

     こういう発想はっそうまれるのは、いま社会しゃかいがゆがんでいるからでしょうね。くに期待きたいできないし、していない。だからいかりの矛先ほこさきくにではなく、弱者じゃくしゃけるのではないでしょうか。

    自分じぶん大切たいせつ

     まれつき脳性のうせいまひのぼくにとって、このからだや、このしゃべりかた普通ふつうなわけで。障害しょうがいがあるとわれても、いまもピンとません。ぼくらが地域ちいきらそうとしたとき邪魔じゃまをする社会しゃかい地域ちいき仕組しくみそのものがじつ障害しょうがいであり、その仕組しくみをつくっている、いわゆる健常者けんじょうしゃわれるひと意識いしきこころじつ障害しょうがいがあるのではないでしょうか。それをのぞくことで障害しょうがいはなくなっていくのだとおもいます。

     みなさんには「障害者しょうがいしゃたすけようね」とはいません。自分じぶんのことをきになってね。そして、しんどい(つらい)ときにはしんどいとってね、といます。

     これができるようになると、しんどそうな友達ともだちに「大丈夫だいじょうぶか?」とけるようになる。そのなかに、障害者しょうがいしゃわれるひとふくまれるかもしれない。自分じぶん大切たいせつにしているひとは、ほかひと大切たいせつにできるものです。=つづく


     □プロフィル

     兵庫県姫路市出身ひょうごけんひめじししゅっしん日本福祉大卒にほんふくしだいそつ。1992ねんから障害者しょうがいしゃ自立じりつ支援しえんするNPO法人ほうじん活動かつどう現在げんざい社会福祉法人しゃかいふくしほうじん西宮市社会福祉協議会にしのみやししゃかいふくしきょうぎかい」(同県西宮市どうけんにしのみやし)の相談総務係長そうだんそうむかかりちょう


     ■ことば

    障害者差別解消法しょうがいしゃさべつかいしょうほう

     障害しょうがい理由りゆうにした差別さべつなどを禁止きんしした法律ほうりつ。2016ねんがつ施行しこうされました。くに自治体じちたいたいし、障害者しょうがいしゃもとめたときに、設備せつびととのえたり、サービスを提供ていきょうしたりする「合理的配慮ごうりてきはいりょ」をするよう義務付ぎむづけています。民間みんかん会社かいしゃやおみせ団体だんたいには義務ぎむではありませんが、努力どりょくするようもとめています。罰則ばっそくはありませんが、差別さべつかえし、改善かいぜん期待きたいできない事業者じぎょうしゃにはくに指導しどうなどをします。

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