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高知県檮原(ゆすはら)町の隣にある津野町内に「布施ケ坂」という峠がある。通称「辞職峠」。バイパスがなく、道路状況が悪かった時代、檮原方面へ異動になった教員が赴任する際、長く続く急なこの坂で嫌になって辞職を考えたという逸話が残る。
2006年春に檮原高の校長に異動となった横川剛史さん。赴任直後に高知市内から通勤した際、檮原方面から他地域の高校に通う原付きバイクに乗った多くの高校生とすれ違う場所が「辞職峠」だった。「何とか止めなあかん」。学校存続に向けた思いを強くし、なりふり構わない行動に出た。
野球部創部へ動く一方、生徒募集では県内の中学校だけでなく、愛媛県内にも足を延ばした。「高知の人間が何しに来たと白い目で見られた」と笑う。将来を見据えて児童への働きかけも必要と考え、近隣の小学校や幼稚園の運動会や卒業式にも出席した。いぶかしげに見る保護者に「この子たちは必ず将来、地域の高校生になる。そういう子どもを応援している」と訴えた。
地道に何度も通ったことが少しずつ実を結び、近隣中学校や愛媛からも生徒が来るようになった。
部員数が昨年から6062人減と過去最大の減少になった高校野球。学校を存続させるのと野球人口減少に歯止めをかけるのは似ている。横川さんのように、粘り強く取り組めるかが大切だと思う。【安田光高】
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