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余録

詩人、随筆家で明治・大正期に小紙の…

 詩人、随筆家で明治・大正期に小紙の記者だった薄田泣菫(すすきだきゅうきん)はあまり人に好まれぬ梅雨を愛した。「梅雨の雨のしとしとと降る日には、私は好きな本を読むのすら勿体(もったい)ない程の落ちつきを感じます」というのだ▲私も同じという方もおられようが、その梅雨も後半、とくに西日本では全く異なる姿をあらわす。かつては「荒梅雨(あらつゆ)」「暴れ梅雨」と呼ばれた梅雨前線豪雨が人々の暮らしを急襲し、河川の氾濫(はんらん)や土砂災害をもたらした九州北部である▲人の命を奪い、多くの住民に避難を強いたのは「線状降水帯(せんじょうこうすいたい)」という集中豪雨域だった。帯状の地域の上空に積乱雲が次々に発生して長い時間猛烈な雨が続くことで、福岡県朝倉市などでは24時間降水量が観測史上最高を記録している▲昔の人は竜王が降雨や止雨(しう)を差配(さはい)すると考えたが、まさに居座る竜のような豪雨の帯だった。この降水帯は梅雨前線の南側にできやすく、一昨日午前まで島根県に大雨をもたらしたと思ったら、前線の南下で直後に九州北部に現れた▲神出鬼没(しんしゅつきぼつ)の竜には各地域で自衛策を講じるしかない。気象庁では大雨警報と洪水警報の危険度を1キロ四方ごとに5段階の指標で示すマップのネット公開を4日から始めていた。ただせっかくのこの新情報も広く知られていたかどうか▲交通網寸断の中、ツイッターによる救助要請や被害の通報も目立った。その荒れ方、暴れ方においてますます人の意表を突く地球温暖化時代の気象災害である。人もまた臨機応変(りんきおうへん)の技と力を鍛えるしかない。

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