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昭和史のかたち

真実さぐりだすノンフィクション=保阪正康

(右上から時計回りに)松本清張、下山事件でD51機関車を検証する係官、2・26事件で銃剣を構える反乱軍兵士 コラージュ・松本隆之

検証に堪えうる客観性必要

 昭和という時代が終わってから30年近くの時間が流れた。この6月に成立した特例法(正確には「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」)により、2年以内には皇太子が即位する形になり、元号もまた変わる。昭和はますます遠のいていくことだろう。

 とはいえ近代日本史にあって、昭和という時代は時間を経るにつれ、なお一層その重みを増していく。この時代には人類史が体験した社会現象のすべてが詰まっているわけだから、昭和という時代には日本人がどのように変わっていったのか、それが明確にあらわれているように思う。昭和20年代、30年代の史学科の学生の中には、明治維新を卒業論文のテーマに選ぶ者が多かったのだが、これからは昭和という時代をテーマに論文を書く者が多くなると、私には思える。

 昭和史に関わる書は往々にして、次の五つのパターンに分かれている。箇条書きにしてみよう。(1)学術書(研究書)(2)小説(3)ノンフィクション(4)啓蒙(けいもう)書(5)回想録・体験談--といったところだが、この2、3年の書物の刊行リストを見ると、(1)と(5)が増えていることがわかる。(1)については、1970年代、80年代生まれの若手研究者が、歴史書刊行の版元から出す例が目につく。「あとがき…

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