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社説

日欧がEPAで大枠合意 保護主義防ぐ役割は重い

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 日本と欧州連合(EU)が経済連携協定(EPA)に大枠で合意した。経済規模で世界の3割近い巨大な自由貿易圏が再来年にも誕生する。

 第二次世界大戦後の世界経済の成長を支えたのは自由貿易体制だ。けん引した米国が保護主義に転じ、自由貿易が逆風にさらされる中、日欧が合意した意義は大きい。

 保護主義に対抗し、自由貿易を推進する先導役になってほしい。

 日欧EPAは、日本製の自動車や家電、欧州産のチーズやワイン、豚肉などの関税を撤廃・削減する。貿易品目全体に占める撤廃率は9割以上と高水準の自由化になる。

 市場開放が進むと、日欧の経済を底上げする効果が見込める。とりわけ、資源が乏しく「貿易立国」として発展してきた日本にとって、自由貿易は極めて重要な意味を持つ。

 日本は人口減少で国内市場が縮小していく。EUの人口は約5億人と日本の4倍だ。自動車などの輸出を増やす好機になるはずだ。

 また、日本が輸入する欧州産農産品が値下がりすると、回復の鈍い国内消費にプラスに働くだろう。

 世界の自由貿易体制を立て直すてこにもなりうる。

 日米などが合意した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)は、米国の離脱で発効のめどが立たない。EUも米国との自由貿易交渉が停滞を余儀なくされている。

 日欧の貿易が活発になれば、米国は日欧向けの輸出で不利な立場に置かれる。米国でTPP復帰論などが出てくる可能性がある。

 また、EUは英国が離脱を決めたが、対日輸出が増えると、域内の「反EU」機運の拡大が防げる。

 日本は合意を弾みに、米国を除くTPP発効に向けた協議も進め、自由貿易圏の拡大に努めるべきだ。

 ブランド力が強い欧州産チーズなどが日本で安く出回ると、農家の経営が圧迫される。政府は支援を講じる方針だ。

 ただ、ばらまきに終わるような保護策は禁物だ。これまで高関税で農業を手厚く守ってきたが、衰退に歯止めがかからなかった。農家の競争力を高める政策が必要だ。

 EUは日本酒や緑茶の関税も撤廃する。海外の和食ブームも生かし、農産品の輸出拡大を図るべきだ。

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