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「今、流されよう」不明の女性、知人に

安否不明になっている村山幸子さんの捜索活動を見守る家族=福岡県朝倉市山田で2017年7月8日午前9時12分、徳野仁子撮影

 福岡、大分両県を中心に襲った九州北部豪雨。8日午前の被災地では、安否不明者の捜索活動が続く一方で、ボランティアや罹災(りさい)証明書の受け付けが始まるなど支援や生活再建の動きも出始めた。

 「周りを見渡したらあの人もこの人もいない状況。たとえどんな姿でも見つかって良かった」。6日に遺体で見つかった福岡県朝倉市杷木松末の藤本哲夫さん(66)を知る近くの男性(40)はそう言って涙を浮かべた。

 男性によると、藤本さんは妻と看護師の長男、介護士の次男と4人暮らし。大雨で藤本さん宅が流され、藤本さんは同市杷木林田の民家敷地内で遺体で見つかった。次男は自宅から約1.5キロ離れた場所でけがをした状態で救助されたが、妻は今も安否不明のままだ。長男は仕事で外出していて無事だった。

 男性は「藤本さんは近所の友達のお父さんという感じ。普段はおとなしいけれど地域の集まりで酒を飲むとにぎやかだった。藤本さんの奥さんは近所の女性に電話して『今、流されよう(流されている)。さようなら』と伝えたらしい」と声を詰まらせた。

 近くに住む小川信博さん(64)は、大工だった藤本さんの仕事ぶりを覚えている。藤本さんは小川さんが紹介した建設会社から請け負った住宅リフォームの仕事で、客から「ついでに他のところもしてほしい」と頼まれた。藤本さんは建設会社に断らずに工事をして注意されると「私の日当はいらないので」と言ったという。小川さんは「てっちゃんは頼まれたらやってしまうような、そういう人だった」と振り返った。

 小川さんは5日夕方に自宅から避難した際、藤本さんの自宅近くの川が氾濫しそうになっているのを見ていた。翌日に知人から「てっちゃんが2階にいた」と聞いて言葉を失った。「自分から何か話す方ではなかったが奥さんを大切にし、頼まれた仕事はまじめにやる人だった」としのんだ。

 近所の介護職員の女性(63)は「日曜日は夫婦で畑に行って、てっちゃんが野菜を取って近くの道の駅に持って行っていた」と話した。【林壮一郎】

県内外からボランティアが列

 記録的な大雨に見舞われた大分県日田市の市社会福祉協議会は8日朝、災害ボランティアセンターを市総合保健福祉センター(日田市上城内町1)に開設した。早速、県内外から「被災地の役に立ちたい」と希望者が列を作っていた。

 市社協によると、市から要請を受けてボランティアの受け付けを開始。市内各地区から集めた被害情報を基に家屋の泥をかき出したり、水につかった家具などを運び出したりする作業に取り組む。今回は市中心部約10カ所に分かれて作業する。

 午前9時の受け付け開始を前に約50人が列を作った。福岡県八女市の会社員、三重野強さん(45)は平日、日田市内の会社に営業職として勤務している。普段、仕事で訪れる場所が変わり果てていてショックを受けたといい「世話になっている人の役に立ちたい」と意気込んでいた。市内の高校1年、小田和叶(わかな)さん(15)は、友人3人と受け付けを済ませ「力仕事は慣れていないけど、頑張る」と話した。【津島史人】

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