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九州豪雨

「数十年に1度」の雨 自治体対応どうだったか

福岡県朝倉市の1時間ごとの雨量と市の対応(5日)

 九州北部豪雨で5日に大雨特別警報が出た福岡、大分両県では死者・不明者が多数に上っているが、自治体による避難指示・勧告の発令状況はどうだったのか。

     福岡県朝倉市では、積乱雲が次々と発生して帯状に連なる「線状降水帯」の影響で、5日午後1時までの時間雨量は88.5ミリ、午後4時までは106ミリと猛烈な雨になっていた。

     「数十年に1度」の雨が降り、重大な災害の危険性が高まっているときに出される大雨特別警報。気象庁は午後5時51分に発表したが、朝倉市での雨のピークは過ぎた後だった。同市は午後2時26分に災害警戒本部を災害対策本部に格上げし、午後3時半から今回大きな被害が出た杷木(はき)地区や甘木地区に随時、避難指示を出している。

     森田俊介市長は「2012年の九州北部豪雨でも被害を受けており、早めに避難指示を出すことにしていたので特別警報より早かった」と話す。ただ、住民に避難指示などがどの程度伝わったのか、検証が急務だ。

     一方、数百人が孤立状態となっている福岡県東峰村では、緊急性の高い避難指示が出されなかった。村によると、5日午後2時17分に避難準備・高齢者等避難開始を発令し、午後3時15分に避難勧告を出した。防災無線や防災メールなどで「できるだけ早く避難してください」と呼びかけたという。だが、大雨特別警報が発表された後も避難指示は出さなかった。

     岩橋忠助副村長は「特別警報が出た時点で、既に動くと危ない状況だった。場合によっては動かないで家にいた方が安全なこともある。避難指示だと強制的にという意味合いが生じるので、ケース・バイ・ケースで対応した」と説明する。「その代わり、特別警報が出されたので安全を確保してくださいとアナウンスした」という。

     東京大総合防災情報研究センター長の田中淳教授(災害情報学)は「特別警報が出た時は既に命を守る行動を取るべき状況にあり、その時点から避難所などへ移動するのはリスクが高い場合がある。また、自治体の避難勧告・指示が間に合わない事態もありうる。住民の緊急避難をより円滑に行う方法はないか、今後の検討が必要だ」としている。【中村清雅、志村一也、金森崇之】

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