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社説

ゲノム編集による品種改良 ルール作りの議論加速を

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 遺伝子組み換えの農作物や家畜、魚などを取り巻く状況が大きく変わる可能性が出てきた。新しい遺伝子技術「ゲノム編集」の応用研究が進んできたからだ。

 海外では、ゲノム編集で品種改良した農産物の規制のあり方についても議論されている。

 日本でも応用研究は進んできたが、規制の議論は進んでいない。

 ゲノム編集で作る生物は従来の組み換え生物とどう違うのか。規制を変更する必要はあるのか。関係省庁は専門家集団と協力し、海外の動向も把握しつつ、検討を進めてもらいたい。

 従来の遺伝子組み換え作物は本来その植物が持たない外来の遺伝子を組み込んで作るものが中心だ。微生物の遺伝子を組み込んで害虫や除草剤に抵抗性を持たせたトウモロコシや大豆などを日本も輸入している。

 一方、ゲノム編集は自在に遺伝子を書き換えられるのが特徴だ。品種改良の研究は狙った遺伝子を破壊する方法を中心に進んできた。

 研究室レベルでは、筋肉量の多い牛、肉付きのよいマダイ、芽に毒素を含まないジャガイモなどが開発されている。農業・食品産業技術総合研究機構は国内で初めて、ゲノム編集したイネの野外栽培を始めた。

 現在、遺伝子組み換え農作物の栽培や輸入、流通は、「カルタヘナ法」で規制されている。ただ、ゲノム編集で品種改良を行った場合、自然界でも起きる突然変異と同等と見なされ、この法の対象外となるケースが出てくる可能性がある。

 実際、米国ではゲノム編集で開発した変色しないマッシュルームがカルタヘナ法の規制対象外と判断された。今後、ゲノム編集による品種改良が世界的に進むことを思えば、日本も対応を急がねばならない。

 まずは、ゲノム編集で作られる農産物の性質を、遺伝子レベルと個体レベルの両方で精査することが必要だろう。カルタヘナ法は生物多様性の観点に基づく法律だが、食の安全の観点からも検討を進めることが必要だ。

 日本は遺伝子組み換え作物に対して慎重な見方が強かった。ゲノム編集について、一般に理解が進んでいるとは思えない。市民へのわかりやすい情報提供が欠かせない。

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