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社説

米露首脳の初会談 やはり成果は乏しかった

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 米国のトランプ大統領が就任後、初めてロシアのプーチン大統領と会談した。オバマ前政権下で冷戦終結後最悪に落ち込んだとまで言われた米露関係がどう変わるのか注目されたが、出口の見えない閉塞(へいそく)感が一層強まっただけだった。

 会談は予定を大きく上回って2時間以上に及んだ。両首脳は内戦の続くシリア南西部に安全地帯を設け、米露が協力して停戦監視にあたることなどに合意した。

 しかし、これが前進だったかというと疑問だ。シリア南西部での勢力争いはそれほど激しくはない。停戦も実務者レベルの合意を確認しただけというのが実態だ。

 ロシアがアサド政権を支援し、米国はアサド政権の排除を視野に反体制派を支援している。この対立をどう解消し、和平につなげるかという道筋は描けなかった。

 首脳会談後の記者会見でティラーソン米国務長官は、過激派組織「イスラム国」(IS)打倒という共通目標にさえ言及しなかった。

 まずは地道にできることから協力を探るしかないというのが米露の現状なのだろう。

 ウクライナ東部の紛争をめぐっては、米国が特別代表を任命し、ロシアとの協議にあたることになった。しかし、これまで欧州が仲介に努めても打開できなかった難しい問題である。対露経済制裁の解除も今後の課題だが、そのきっかけとなったロシアによるウクライナ南部クリミア半島の編入は、ロシアが譲らない姿勢を貫いている。

 北朝鮮への対応をめぐっても特筆すべき進展はなかった。

 米大統領選にロシアが介入したとされる「ロシアゲート」が米露関係の大きな足かせになっている。トランプ氏は会談でこの問題も取り上げたが、あくまで国内対策の側面が強かった。プーチン氏は関与を否定しただけだった。

 オバマ前政権は自由と民主主義の理念を掲げてプーチン政権と対立した。プーチン政権は、理念よりも損得を優先するトランプ氏に期待したが、その親露姿勢が米国内で不信を生んでいる。

 米露の膠着(こうちゃく)状態は続く可能性が高い。両国が国際秩序を主導することは当面期待できないだろう。

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