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本村凌二・評 『世界史を創ったビジネスモデル』=野口悠紀雄・著

 (新潮選書・1836円)

 ある哲学者と経済学者はよく散歩した。あるとき哲学者が「結局のところ、経済学とは最小限の努力で最大限の効果をあげようとする学問だろう」とからかったらしい。カチンと来た経済学者は「とどのつまり、哲学とは最大限の努力で最小限の成果をあげようとする学問だろう」と言い返したという。

 経済学者として名高い著者は、歴史「を」学ぶのではなく、歴史「に」学ぶことが大切だと指摘する。その知的な営みは「歴史を哲学する」ことではないか、と評者は思う。哲学であるからには、最小限の努力ではすまない。多少の回り道もあるが、得られる点も少なくない。

 企業活動の手段や方法であるビジネスモデルの参考事例なら、歴史の範囲を大きくさかのぼって国家活動にも見出(みいだ)すことができる。多くの場合、過去には企業と国を区別する必要はない。重要なのは、「多様性の確保」と「フロンティアの拡大」である。それが本書の基本をなす立ち位置である。

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