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恐る恐るテントの外に目をやる少女。その目はどこか、ぬぐい切れないあの日の恐怖を秘めているように思えた

 扉の陰に身を隠すようにたたずみながら、少女はじっと外を見つめていた。白昼の停電でテントの中は、よどむ空気にむせ返るような熱気がまとう。14歳だという彼女は、難民キャンプ暮らしが既に2年近く続いていた。ふと首にかけられた写真が気になり尋ねてみる。「兄の写真よ。まだ行方不明。忘れたくないから。それにこれが、ISへの小さな抗議でもあるの」

 イラク北部、クルド人自治区。シリア国境に近いドホーク郊外の難民キャンプを訪ねる。IS(過激派組織「イスラム国」)の迫害から逃れてきたヤジディー教徒たちが避難生活を送っていた。ヤジディー教はシリアやトルコの少数宗教で、教徒は60万人前後、イラクだけで数十万人とされている。特にその数が多い街、シンジャルを2014年8月、ISが制圧。兵士たちは彼らを「邪教」として男性を殺害、女性を連れ去り奴隷化して、…

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