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衝動的なトランプ政権 米国と不確実性の時代=日本貿易振興機構アジア経済研究所長・白石隆

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 トランプ米政権が発足してもうすぐ半年になる。全く政治経験のない人が大統領になる。しかも予備選のときから物議を醸してきた人である。とんでもない人が大統領になり、とんでもないことをするのではないか。トランプ氏の大統領選出以来、こういう懸念がさまざまに表明されてきた。

スタート半年、公私混同懸念

 その一つは、米国の民主主義はこれからどうなるかという懸念である。これについては、大統領が自分の思い通り、国内政策を行うことはできないということが確認された。

 連邦最高裁は先日、入国禁止令=1=の一部執行を認めた。しかし、それでも、この大統領令の効果は所期の狙いと比べ、かなり限定的なものである。予算教書では大規模な歳出削減と大型減税を打ち出した。しかし、議会がこれをそのまま承認する可能性は限りなくゼロに近い。上院における医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の行方もわからない。一方、メディアは、大統領の言動を逐一チェックし、どこでどんなうそをついている…

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