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九州豪雨

「愛犬の面倒見んと」妻亡くした男性

避難所となっている杷木中学校の体育館前につながれたゴン太=福岡県朝倉市で2017年7月9日午後2時15分、高嶋将之撮影

 九州北部豪雨は25人の命を奪った。ある日突然、大切な家族や友人を失った人たちは悲しみに暮れ、現実を受け入れられずにいる。【高嶋将之、佐野格、林壮一郎】

 「何とも言えない。動物が好きな人でした」。福岡県朝倉市杷木(はき)白木の小嶋重美さん(69)は、妻初子さん(69)がかわいがっていた愛犬をなでながら、家ごと濁流に巻き込まれ亡くなった妻への思いを語った。

 記録的な大雨となった5日午後4時半ごろ、初子さんは自宅の1階から2階にいた重美さんに早く逃げるよう大声で呼び掛けた。「早く下りてこないと危ないよ」。重美さんが1階に下りる前に、土砂が家をのみ込んだ。

 少し離れた場所にいた愛犬は無事だった。初子さんが以前、散歩中に捨てられていたのを連れて帰ってきた犬で、初子さんと娘が相談し「ゴン太」と名付けよく散歩をしていた。

 被災後、重美さんは、ゴン太とともに避難所に身を寄せた。初子さんが家から1キロほど下った川の中で見つかったのは3日後だった。「災害があってからしっぽも垂れ下がって元気がなくなってしまった。この面倒は俺が見んと」と言葉を振り絞った。

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