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小池百合子東京都知事が率いて都議選で圧勝した「都民ファーストの会」。かつて都議選の勝利をステップに国政選挙に挑み、自民党を下野させた日本新党旋風に重なる。彼女を政界へ引き入れた細川護熙元首相の思いを聞くと、意味深長なことを言った。「いずれ倒幕の動きがあるかもしれない」--。【鈴木琢磨】
なにやら都が、国が騒がしく、さぞや殿も絵筆が進まないのではと気になった。還暦を区切りに永田町を去り、近ごろは東京湾岸の倉庫にあるアトリエにこもり、ふすま絵を描いていた。「そりゃ、小池さん、同志ですから」。あれは四半世紀近く前、1993年6月。前年に発足したばかりの日本新党が都議選で20議席を得て大躍進した。当時の新聞を読めば、代表の細川さんは投票率の低さにふて寝していたものの、大勝との結果に55年体制の崩壊を感慨深く語っているし、選対本部長の小池さんはセーラー服っぽい格好で、コーラを飲みながら、喜びにはじけていたと伝えている。「へえー、もうすっかり忘れましたなあ」
まるで同窓会に呼ばれた白髪の先生のごとく、教え子のことをときに厳しく、ときに自慢げにしゃべる感じ。日本新党という「学校」への強烈なノスタルジーもあるのだろう。で、都知事になった教え子は同窓会といわず、恩師を訪ねているらしい。「会ってますよ。ホテルでコーヒーを飲み、相談を受けたりしています。都議選告示の2週間ほど前にも会ったかな。ぴりっとはしませんでしたが、豊洲市場問題は選挙までに明らかにしておく…
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