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九州豪雨

農作物に深刻被害、山本農相に支援要請

大量に流れ込んだ土砂に埋もれたビニールハウス=福岡県朝倉市杷木志波で2017年7月11日、矢頭智剛撮影

 九州北部豪雨で被災地の農作物に深刻な被害が出ている。果樹を植えた山が崩落したり、ビニールハウスに土砂が流れ込んだりしており、日本3大林業地の一つと呼ばれる大分県日田市でも多くの杉が流された。農家からは「大打撃で収穫は望めない」などと悲痛な声が上がる。2012年の九州北部豪雨を上回る被害も見込まれ、地元農協は被災地を視察した山本有二農相に全面的な支援を要請した。

     柿やナシなどの果実や博多万能ネギ、コメの産地として知られる福岡県朝倉市。JA筑前あさくらによると管内の農業被害額は12日現在、野菜や水稲などで約7億円に達するが、柿などの果樹被害は含まれていない。担当者は「土砂崩れで立ち入れない地域も多く、被害の全容がつかめない。果樹被害が判明すれば現時点の被害額の比ではないだろう」と話す。

     同市山田の柿農家、桜木照美さん(65)が柿を育てる自宅近くの山は、豪雨で柿の木ごと斜面が崩落した。一部残った柿の木もあるが、2次災害の恐れなどもあって病害虫を防ぐために必要な消毒をすることができない。収穫は毎年10、11月だが、桜木さんは「今年の収穫は諦め半分です」と肩を落とした。

     同じ同市山田の農家、桜木朝喜(ともき)さん(54)は、ネギとニラを栽培するビニールハウス8棟に泥が流れ込んだ。「収穫はたぶん駄目だろう。早く泥を取り除いて消毒した上で再び作付けをしたいが、1人では簡単ではない」。他にも水田が泥で埋まり、柿は農地に続く道が崩れたため近づけないという。被害総額は500万円以上を見込む。

     同市杷木林田のイチゴ農家、林浩義さん(56)は所有する約1600平方メートルのビニールハウスの半分が押し寄せた土砂で倒壊し、ハウス近くで育てたイチゴの苗の大半を失った。「今年は10トンの収穫を見込んでいた。今は今後のことを考えられない」とショックを隠しきれない様子だ。

     山本農相は11日に同市を訪れ、土砂や流木が流れ込んだ水田や用水路を視察。案内した山田堰土地改良区の徳永哲也理事長(70)は「土砂などを取り除かないと用水路の水が流れない」と窮状を訴えた。激甚災害の早期指定などを求める要望書を手渡したJA筑前あさくらの深町琴一組合長(67)は「地元だけでの復興は難しく、国や県の支援をお願いしたい」と話した。

     一方、大分県日田市でも杉に被害が出ている。12年の九州北部豪雨でも倒木・流木が相次ぎ農林業に打撃を受けたが、江崎五郎・市農林振興部長は「今回の被害は5年前を上回る可能性が高い」と懸念する。

     5年前の被害額は64億円(農業49億円、林業15億円)。本格的な調査はこれからだが、今回も田畑や果樹園への泥の流入や、のり面、ビニールハウスの損傷が目立つ。日田木材協同組合の瀬戸亨一郎理事長は「製材機や乾燥機が水没し、川沿いの材木置き場が損壊した業者が10軒ほど出ている」と話す。【山下俊輔、林壮一郎、楢原義則、浅川大樹】

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