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社説

民進党の東京都議選総括 議論の筋道を間違えるな

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 民進党が東京都議選の惨敗について、総括の議論を進めている。

 唐突感があるのは、蓮舫代表の戸籍情報公開を検討していることだ。台湾籍との「二重国籍」を解消したことを証明するためだという。

 この問題は昨年9月の党代表選時に浮上した。蓮舫氏は当時、説明を二転三転させた後、台湾籍を持ったままだったことを認めた。そのうえで台湾籍の離脱手続きと日本国籍の選択宣言を行ったと説明してきた。

 それに対し党内から、都議選敗因の一つだとして「戸籍も見せて説明を」と求める声が上がった。蓮舫氏は「戸籍そのものではなく、台湾籍を有していないことが分かる部分」を連休明けに公開するという。

 戸籍は出自を証明する究極の個人情報だ。その一部とはいえ、国籍確認のために公開する前例をつくれば、日本国籍を取得した人に公開を強要する風潮を生みかねない。

 民進党内からは「差別を助長する」「党綱領に掲げた共生社会の理念に反する」と公開に反対する意見も出て、党内対立が表面化している。

 国会議員である蓮舫氏の二重国籍状態が昨年まで続いていたことは確かに見過ごせない。

 一方で、代表就任からすでに10カ月が経過している。今になって都議選の敗因とする議論に対しては「そのピントのずれが根源的な敗因を作り出している」との指摘も党内にある。その通りだろう。

 民進党は旧民主党時代から4回の国政選挙で大敗を続けている。野党転落後、党代表は3回代わり、維新の党と合併して党名を変更し、共産党との選挙協力を進めてきた。それでも政党支持率は1ケタに低迷したまま、政権批判が噴出した都議選でもその受け皿になれなかった。

 自民党がダメなら民進党と有権者に思ってもらえない根本の総括が必要だ。次期衆院選へ向け野党第1党としての存在意義が問われている。

 だが、民進党執行部にそうした危機感は薄く、都議選後早々、蓮舫代表、野田佳彦幹事長ともに続投を表明した。党内には当然、不満がくすぶる。そこで執行部に批判的な側が持ち出したのが二重国籍問題だ。

 戸籍情報を公開すれば続投批判を抑えられるという自己保身からの判断だとすれば、全くの誤りだ。

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