メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

無縁仏

政令市、10年で倍増 貧困拡大背景

無縁仏をまつる無縁堂=大阪市阿倍野区で2010年6月19日、幾島健太郎撮影

 全国の政令市で2015年度に亡くなった人の約30人に1人が、引き取り手のない無縁仏として自治体に税金で弔われていたことが、毎日新聞の調査で分かった。全政令市で計約7400柱に上り、10年でほぼ倍増。大阪市では9人に1人が無縁だった。死者の引き取りを拒む家族の増加や葬儀費を工面できない貧困層の拡大が背景にあり、都市部で高齢者の無縁化が進む実態が浮き彫りになった。

大阪市は9人に1人

 死者に身寄りがなかったり、家族や親族が引き取りを拒んだりした場合、死亡地の自治体が火葬・埋葬すると法律で決められている。実際には生活保護費で賄われるケースが多い。

 調査は今年6月、政令市を対象に実施。06~15年度に税金で火葬後、保管・埋葬した遺骨数を尋ねた。この結果、政令市の計20自治体は15年度に計7363柱を受け入れた。厚生労働省の人口動態統計によると、政令市の15年中の死者数は計24万4656人。統計は年間集計だが、33人に1人が無縁だったことになる。4047柱だった06年度から1.8倍になった。

 最多は大阪市の2999柱。横浜市979柱(死者31人に1人)、名古屋市607柱(35人同)と続いた。千葉と川崎でも約35人に1人、札幌と福岡、北九州では約60人に1人が無縁仏だった。

 政令市を除いた31の県庁所在市と東京都の23区についても調査したが、記録が完全でない自治体が半数近くあった。31市は15年度に少なくとも計836柱を受け入れた。死者総数は計10万8048人(15年)で、129人に1人の割合。23区は計823柱で、記録が残る千代田区(23柱)は、17人に1人が無縁だった。

 無縁の遺骨は公営の納骨堂などで一定期間保管され、期限が過ぎれば合葬墓に合祀(ごうし)される。だが、遺骨は増え続けており、大阪、札幌の両市は合葬墓の収容量を増やした。

 国立社会保障・人口問題研究所によると、昨年の死者は約130万人で、団塊の世代が75歳以上になる2025年には約152万人に達すると推計され、「多死社会」に突入する。少子高齢化の影響もあり、今後も無縁化が進む可能性がある。【近藤大介、山口知、千脇康平】

都市特有の悩み

 石田光規・早稲田大文学学術院教授(社会学)の話 高度経済成長期に地方から都市部に移り住んだ人らの多くは、入る墓がなく埋葬の悩みを抱えているのではないか。さらに、最近は親子でもバラバラの個人という感覚が強く、生前から埋葬について話し合う家族は少ない。一方、行政も家族関係に立ち入ることは難しく、有効な対策を講じることは容易ではない。

関連記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. フィギュア 羽生結弦が全日本選手権を欠場 連盟が発表
  2. 牧太郎の大きな声では言えないが… 「横綱の暴行」で稼ぐのは?
  3. 綱の失墜 日馬富士暴行問題/下 重し消え、変節する白鵬 崩れる伝統・秩序
  4. フィギュアスケート 羽生「腱と骨にも炎症」コメント追加
  5. 相撲協会 元日馬富士処分は「引退勧告相当」提案へ

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]