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社説

海汚すプラスチックごみ 国の危機感と対応は鈍い

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 きょうは「海の日」だ。多くの恵みをもたらし、人々をひきつける海で今、微細なプラスチックごみによる汚染が広がっている。

 プラスチックごみは、捨てられたレジ袋やペットボトルなどが海に漂い、紫外線の作用や波で粉砕されてできる。自然には分解しない。

 また、身近な商品に含まれる微粒子のマイクロビーズは、そのまま海に流れ出し問題となる。汚れを落としやすいため、洗顔料や化粧品、歯磨き粉などのほか、メラミン樹脂製スポンジに使われている。

 厄介なのは、これらがポリ塩化ビフェニール(PCB)など有害物質を吸着する性質を持つことだ。

 プラスチックごみなどをプランクトンや魚、鳥が食べると、有害物質は体内で蓄積・濃縮される。食物連鎖を通じて生態系を壊し、人の健康を脅かす恐れがある。

 2015年のドイツでの主要7カ国(G7)首脳会議は「世界的な課題だ」と警告した。翌年には民間団体が「海のプラスチックごみの量はこのままでは50年までに魚の重量を超える」との報告書を出した。

 そして今年、イタリアでのG7は「地球規模の脅威」と訴え、国際的な対応を急ぐよう求めている。

 レジ袋の規制は欧州で進んでいる。欧州連合は14年、加盟国に削減案策定を義務づけ、1人年40枚に減らす目標を掲げた。フランスでは昨年からレジ袋の提供が禁じられ、アフリカ、アジアでも法的に同様の対応に踏み切る国がある。

 マイクロビーズについては米国で15年に規制法が成立した。製造を禁じ、販売も来年6月までだ。英国やフランス、カナダなども法的規制を準備しているという。

 1人年300枚のレジ袋を使う日本には法的規制や数値目標はない。自治体ごとの対応に委ね、有料化による削減策などにとどまる。自治体間の温度差も大きい。

 マイクロビーズは昨年3月、業界団体が各社に使用中止を呼びかけた自主規制だけが頼りだ。多くの商品が店頭に並び、消費者はその問題点もあまり認識していない。

 四方を海に囲まれ、その恵みを享受しているのに、危機感に乏しく主導的な姿勢に欠けるのが実情だ。国をあげての取り組みが急がれる。

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