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お酢蔵が異例のイタリアン 直営レストラン開店

飯尾醸造が開業した南イタリア料理店「アチェート」。築120年の古民家の風情を生かしている=京都府宮津市新浜で2017年7月3日、安部拓輝撮影
トビウオとキュウリのマリネ。違う酢の味をしみこませ、素材のうまみを引き出している=京都府宮津市新浜で2017年7月3日、安部拓輝撮影
紅芋酢ソーダ(500円)。お酢蔵ならではのドリンクメニューだ=京都府宮津市新浜で2017年7月3日、安部拓輝撮影

 無農薬米を育てて仕込む「富士酢」で知られる飯尾醸造(京都府宮津市小田宿野)が今月6日、同市新浜で南イタリア料理店をオープンさせた。お酢蔵が直営するレストランで、しかもイタリアンとは全国でも異例だが、商機はあるのか?

 店の名は「aceto(アチェート)」。イタリア語で「酢」という意味だ。3日の試食会で出てきた前菜はトビウオとキュウリのマリネ。地元産のキュウリには「純米富士酢」をしみこませ、市内の定置網で取れたトビウオには紅芋酢を吸わせてあえている。ぷりぷりの食感とさりげない酸味が食欲をそそる。よく冷えた白ワインを含むと口の中で酢の香りと調和して面白い風味を醸し出した。

 シチリアで腕を磨いた重康彦シェフ(46)は「素材の味を生かすも殺すもお酢次第。現地には酸味の強いワインビネガーしかないが、飯尾醸造にはリンゴやイチジクなど10種類以上の酢がある。これを生かせばすごい料理が生み出せる」と話す。東京・渋谷の店を辞め若狭湾の小さな町にやってきたのは料理人として可能性を感じるからだ。飯尾醸造には毎月、世界各国からシェフが見学に訪れる。素材にこだわり丁寧に仕込んだ酢は彼らの手によって海を越え、現在はパリやサンフランシスコの星付きレストランなど10軒以上の店が愛用している。

 とはいえ、小さなお酢蔵にとって直営店の開業は大きな挑戦だ。店舗は明治期に建てられた築120年の空き家を改装し、調理機材を含めて約9000万円を投入した。採算ベースに乗るには相当な集客が必要だが、営業は午後6~11時とした。価格を都市圏の店と同程度に設定し、夜のみの営業にすることで地元への宿泊を促す狙いがあるという。火曜定休。

 料理は4500円▽6000円▽7000円の3コース。京阪神から高速道で約90分かかるが、既に東京や海外からも10件近い予約が舞い込む。5代目の飯尾彰浩社長(42)は「海外では2時間以上かけて郊外の高級料理店に行くのはふつうのこと。ここを起点に食の潜在能力を引き出して、10年かけて丹後を美食の町にしたい」と話している。予約は同店(0772・25・1010)。【安部拓輝】


 ■ことば

飯尾醸造

 1893(明治26)年創業。古来のお酢造りを守り、半世紀前から丹後の棚田でとれる無農薬米で仕込みを始めた。看板商品の純米富士酢はJAS規格で米酢に使う米の量の5倍を使用している。自然食品として注目され、インターネットなどによる通信販売のほか全国の百貨店でも扱われている。

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