<カントリージェントルマン>
日本の若者が指でVサインを作り、「ピース」といって写真に納まる姿を目にすると、心中穏やかではない。Vサインを裏返して相手に手の甲を向けるしぐさは、英国人にとってこの上ない侮辱の印だからだ。それが現在のような形で使われるきっかけを作ったのは、英元首相のウィンストン・チャーチルだという。葉巻愛好家の彼は、相手にむかっ腹を立てると、太い葉巻をはさんだまま2本の指をふりかざすクセがあった。それをいさめられると、この老練な政治家は手をくるっと回して「Victory(勝利)のVだ」と切り返した--ということらしい。いずれにせよ、Vサインは「平和(ピース)」とは無縁なのだ!
古く封建時代から、Vサインは相手への侮辱、挑発だった。1000年以上もの間、野生動物を狩り、その肉を食べることは王侯貴族の特権であり、庶民が弓矢で鹿を射ればつるし首、もしくは二度と弓を引けないように人さし指と中指を切り落とされた。転じて、強力な大弓の射手が敵に向かって2本指をかざせば、「見ろ、いつでも弓を引けるぞ、おまえの息の根を止めてやる!」という挑発となった。
この記事は有料記事です。
残り662文字(全文1145文字)
毎時01分更新
20日の就任演説で米社会の分断修復を誓った民主党のバイデン…
20日のジョー・バイデン米新大統領(民主党)の就任宣誓式を…
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い福岡県など7府県に緊急事…