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人類

地上生活は体温調節が始まりか 京大霊長類研究員

京都大がアフリカで確認したチンパンジーなどの行動

 京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)の竹元博幸研究員は18日、人類が木の上から下りて地上生活を始めたのは体温調節が理由だったという新たな仮説を発表した。人類に最も近い類人猿のチンパンジーなどが、寒い雨期は樹上で、暑い乾期は地上で過ごす時間が多いことを確認したことが根拠という。人類の祖先が直立二足歩行を始めた経緯の解明に役立つ成果としている。

     二足歩行については従来、森林の減少によりサバンナに進出したことが理由とする「サバンナ仮説」が有力だった。だが、440万年前の人類の祖先「ラミダス猿人」の化石がエチオピアの森林に近い環境で発見され、森林内で既に二足歩行を獲得していた可能性が高いとの研究成果が2009年に発表されて以降は、再考が迫られていた。

     竹元研究員は05~08年、アフリカ西部・ギニアにすむチンパンジー4頭と、アフリカ中部・コンゴ民主共和国にすむボノボ6頭の生態を観察。双方とも気温の高い日には一日の大半を地上で過ごすのに、気温の低い日はほとんど樹上で過ごしていることが判明した。

     特に雨期と乾期がはっきりしているギニアで生活するチンパンジーは、地上で過ごす時間が雨期は13・5%に対して乾期は50・1%と4倍近くに増えた。地上は樹上に比べて気温が5~7度低く、エネルギーを節約するため体温調節をしていると推測できるという。

     これらの結果を受け、竹元研究員は、2300万年前から530万年前にかけて季節がはっきりと分かれるようになり、森林内で地上生活が始まったとする「体温調節仮説」をまとめ、論文が18日、英学術誌サイエンティフィック・リポーツ(電子版)に掲載された。

     竹元研究員は「チンパンジーの生態に関する研究者と協力して、ヒトの進化の過程をさらに調べていきたい」と話している。【野口由紀】

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