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山形市の中心地である七日町のはずれ、何の変哲もない木造モルタル2階建ての店舗用建物がたたずんでいる。戦前のものとは分かっているが、誰がデザインし、いつ建てられたのかは定かではない。2階部分は居住可能だったが、1階の店舗部分は顧みられることなく、10年間使われずにいた。
「郁文堂書店」のシャッターは再び、この4月に上げられた。約半年間の徹底的なリノベーション(大規模改修)が施され、内外観を一新した。2階の外壁部分はモルタルの灰色が昭和レトロな雰囲気を醸し出し、1階は看板周りを格子木で飾るなどポップなイメージが調和する。
店内は広々とした、視界を妨げるもののない素通しの空間に改修。もともとの天井の高さが約3メートルあり、採光性も抜群だ。備え付けの本棚は高さ約2メートル50センチ。黒ずんでいた木板などは手作業で丁寧に磨き込まれ、輝きを取り戻した。奥に設けた6畳の談話コーナーには壁沿いに木箱(40センチ四方)を計36個並べ、9列の本棚を新設した。
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