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社説

朝鮮学校の無償化で初判断 制度の理念に反しないか

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 社会全体で子供の成長を支えようとする制度の理念に、例外が認められるかどうかが争われた。

 高校の授業料無償化の対象に、国が朝鮮学校を指定しなかったことを巡る裁判で、広島地裁が初めての判決を言い渡した。

 判決は、国の主張を認め、原告側の全面敗訴となった。

 広島朝鮮初中高級学校(広島市)を運営する学校法人広島朝鮮学園と当時の生徒らが原告となり、無償化の対象から外した国の処分の取り消しや慰謝料を求めていた。

 国は、北朝鮮を支持する在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が、朝鮮学校の教育内容や財政に密接に影響を及ぼしており、朝鮮学校が適正に運営されていない恐れがある、と主張していた。

 今回の裁判所の判断は、無償化制度の趣旨に合っているのだろうか。

 無償化は、高校段階の個々の生徒に対し、国として学びの機会を経済的に支援するのが基本理念だ。学校自体への支援制度ではない。

 朝鮮学校は終戦直後、在日朝鮮人の子供に朝鮮語を教えるため、各地にできた「国語講習所」が前身だ。現在は66校(休校5校)ある。

 高校にあたる「高級部」は全国に10校あり、1300人余りが学んでいる。朝鮮語で授業し、朝鮮史など民族教育に特徴があるが、数学や化学などは日本の学習指導要領に沿った内容だ。日本の大学の大半は、卒業生に日本の高校生と同様、受験資格を認めている。

 インターナショナルスクールなどと同じ「各種学校」にあたるが、これらは無償化の対象になっている。

 生徒は日本で生まれ育ち、日本社会の中で生活している。子供に責任のない理由で、無償化の対象から外すのは制度の理念に整合しない。

 一方、学校側にも改善する点はあるだろう。

 判決は、無償化で生徒に支援金を支給しても授業料に充てられない恐れを指摘する国の主張を認めている。学校側も反論するのであれば、そうした懸念を拭う努力を重ねていくべきだ。肝心なのは、子供の学ぶ権利と機会を確保することである。

 教育内容や財務状況を広く社会に開示し、情報公開を進めていくことで、理解を深めていく必要がある。

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