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社説

稲田防衛相と陸自日報問題 関与の有無を明確にせよ

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 稲田朋美防衛相をめぐって、また新たな疑惑が浮上した。

     南スーダン国連平和維持活動(PKO)で陸上自衛隊の部隊が作成した日報を「廃棄した」としながら陸自内に保管されていた問題である。

     稲田氏が防衛省・自衛隊幹部と協議し、保管の事実を非公表とする幹部の方針を了承していたという。

     稲田氏は否定しているが重大な問題だ。防衛省が近く公表する特別防衛監察の報告で全容を解明し、稲田氏の関与の有無を明確にすべきだ。

     防衛省は昨年12月、日報の情報公開請求に対し「陸自は廃棄済み」と不開示を決めた。その後、PKOを統括する統合幕僚監部から電子データが見つかり今年2月に公開したが、3月に陸自での隠蔽(いんぺい)が報道され監察が始まった、というのが経緯だ。

     日報には、首都ジュバで昨年7月に起きた大規模戦闘の状況が「戦闘」の表現を使って記されている。

     もともと陸自のデータは今年1月に保管が確認されたが、その事実は隠され、データは消去された。

     公表すべき情報を統幕の防衛官僚が「今更あったとは言えない」と述べたという。都合の悪いことは隠蔽し証拠を消す。情報公開の精神をないがしろにした対応だ。

     問題は、一連の対応に稲田氏がどこまで関わっていたかだろう。

     本来なら政治的な指導力で明らかにすべきだったが、もし非公開を黙認したり、了承したりしていたなら、肝心なところで指導力を示せなかっただけにとどまらない。

     発覚後の国会答弁で稲田氏は「報告はされなかった」と述べた。この答弁が虚偽だった疑いも出てくる。

     稲田氏は森友学園との関わりを否定した「虚偽答弁」で信頼性を低下させた。不信感は増幅しよう。

     今回の疑惑を否定するのであれば稲田氏はいつ、どうやって知り、どう対応したかを明らかにし、自身の責任をはっきりさせる必要がある。

     幹部たちは「記憶にない」と事実関係を否定するが、当時は日報問題で連日打ち合わせしていたという。

     非公表としたのは隊員個人の収集資料で公文書ではないと判断したためというが、線引きは恣意(しい)的だ。

     むしろなぜ防衛省・自衛隊は積極的に公表しようとしなかったか。その理由を聞きたい。

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