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科学取材の経験が豊富な青野由利専門編集委員のコラム。

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「身体拘束」を考える=青野由利

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息子の遺影を置いて、精神科病院での不必要な身体拘束をなくすよう訴えるマーサ・サベジさん(左)=東京都千代田区で2017年7月19日午後4時3分、山田泰蔵撮影
息子の遺影を置いて、精神科病院での不必要な身体拘束をなくすよう訴えるマーサ・サベジさん(左)=東京都千代田区で2017年7月19日午後4時3分、山田泰蔵撮影

 <do-ki>

 なんともやりきれない記者会見だったが、小さな光も見えた。

 ニュージーランド人のケリー・サベジさんが5月、神奈川県内の精神科病院で身体拘束された後に死亡した。27歳。母国で日本語と心理学の学位を取った後、九州の小中学校で英語を教えていた。

 子どもたちにも慕われていたのに、なぜ--。

 会見では、母親で地震学者のマーサさんとケリーさんの兄、精神科医療に詳しい杏林大教授の長谷川利夫さんらが話した。遺族によると、経緯はこうだ。

 ケリーさんには双極性障害(そううつ病)があった。関東に住む兄の家に滞在中に症状が悪化。4月末に措置入院となり、すぐに両手両足、腰をベッドに拘束された。身体拘束は続き、10日後に心肺停止。転院先で亡くなった。

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