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社説

増える銀行のカードローン 多重債務防ぐ規制強化を

 銀行の個人向けカードローンを多重債務の温床にしてはならない。

     消費者金融並みの高金利だが、無担保で使い道の制限もなく、過剰な融資が行われやすい。

     金融庁や銀行業界は実効性のある規制を進めるべきだ。

     消費者金融をめぐっては無担保で複数の業者から借り入れ、多重債務に陥る人が増え、自殺も相次いだ。

     このため2010年に完全施行された改正貸金業法で、貸金業者が融資できる金額を「年収の3分の1まで」とする総量規制が設けられた。

     一方、銀行法に基づく銀行のカードローンは貸金業法の対象ではないため、総量規制は適用されない。残高は増え続け、消費者金融の貸付残高を抜いて16年度末時点で5兆6000億円に膨らんだ。

     住宅ローンなどの貸出金利が低くなり、金利が最高十数%と高いカードローンに銀行が注力するようになったことが背景にある。これが過剰融資に結びつき、多重債務者が生まれているのは憂慮すべき事態だ。

     日本弁護士連合会が昨年、多重債務について行ったアンケート調査でも、こうしたケースの報告が相次いだ。年収が356万円の40代女性に銀行が433万円を貸し付けるなど、年収を超える融資も多い。

     相談窓口の一つ「全国クレサラ・生活再建問題被害者連絡協議会」によると、消費者金融から借り入れを断られた後に、収入証明の提出も求められないまま銀行から融資を受けた人も少なくない。

     融資の保証は、個人への無担保ローンについてノウハウを持つ銀行傘下の貸金業者が行う場合が多い。銀行の看板を使った消費者金融と指摘されても仕方がない。

     貸金業法の改正で、多重債務者は大幅に減ってきたといわれる。だが、16年の自己破産申立件数は13年ぶりに増加に転じており、カードローンとの関連も指摘される。このまま過剰融資の抜け道を放置することは許されない。

     全国銀行協会は今年3月、各行がカードローンの審査体制について見直すことを申し合わせている。しかし実効性があるかは不透明だ。

     金融庁は銀行業界の取り組みを見極めたうえで、個人融資の総量規制をかけることも検討すべきだろう。

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