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障害あっても読む楽しさを 特別支援学校教諭ら、活動記録出版

特別支援学校での読み聞かせ活動についての冊子をまとめた生井恭子教諭=東京都江東区の東京都立墨東特別支援学校で

 東京都立墨東特別支援学校の生井恭子教諭(41)らが、障害のある子どもたちへの本の読み聞かせ活動の記録をまとめた「おはなし会がはじまるよ-特別支援学校(肢体不自由校)での図書館活動-」を自費出版した。

     特別支援学校での読み聞かせや図書活動についての記録は少なく、生井教諭は「障害があっても本を楽しんでいる子どもたちの姿をたくさんの人に知ってほしい」と話す。

     墨東特別支援学校で児童生徒に向けて本を読み聞かせる「おはなしの会 うさぎ」は、2012年に始まった。都内の区立図書館に勤務した経験がある生井教諭が、当時の知人のつてをたどり、図書館などで読み聞かせ活動を続けている佐藤凉子さんら3人に打診。メンバーは国語の授業や課外活動の時間に教室を回り、月2、3回のペースで本や紙芝居を使った読み聞かせを続けてきた。

     墨東特別支援学校には、主に重い身体障害や知的障害を持つ子どもたちが通う。読み聞かせをする対象は、小学部から高等部まで幅広く、障害の程度もさまざまだ。気持ちの表現方法が障害を持たない子どもと異なったり、慣れていない人には分かりにくかったりする子も多い。メンバーは、読み聞かせる本の選定や、スピードなどを手探りで工夫してきた。

     子どもたちとの「距離の取り方」も工夫のひとつ。子ども全員に見える位置に立って本を見せるという通常の読み聞かせ方法にこだわらず、人形を使って子どもたちのそばに行き、「ほっぺにチュ」と人形をあてる。すると、うれしそうに笑う子が続出したという。その他にも、手遊びをしたり、本の中に登場する本物の松ぼっくりを近くで見せて回ったりといった双方向のやりとりを積極的に取り入れたという。

     冊子は、活動開始から5年の節目に、これまでの記録を残そうと自費出版した。生井教諭や同会メンバーによる活動の振り返りだけでなく、これまで読んだ本やわらべうた、プログラムの進め方の例などを掲載。障害児と関わる現場で、これから読み聞かせを取り入れようとしている人にも役立つ内容となっている。

     生井教諭は12~13年にかけて、おはなし会の運営とともに、それまであまり使われていなかった学校の図書室を再整備した。当時、3階にあって半分が高等部の教室として使われていた図書室を閉め、1階廊下の一角に図書コーナーを作り、1階の空き教室に図書館を開設した。「障害がある子も、障害がない子と同じように読書を楽しむことのできる環境をつくりたい。話ができなくても、本に親しみ、生き生きとした言葉に触れることが、子どもたちが生きる上で大切な栄養になる」と話した。

     冊子は500円。東京都中央区の書店「教文館ナルニア国」で販売している。問い合わせは同店(03・3563・0730)。【塩田彩】


     「本はともだち」は毎月第4水曜日に掲載します。

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