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「聖地」衝突続く イスラエルとパレスチナ

 【エルサレム高橋宗男】エルサレム旧市街にあるイスラム教とユダヤ教の聖地を巡り、パレスチナとイスラエルの衝突が続いている。イスラエルが「聖地の管理」を変更しようとしているとして、パレスチナ側が反発。イスラエルは25日、衝突の直接の引き金となった聖地入り口の金属探知機を撤去した。混乱の収拾を図る狙いがあるとみられるが、新たな対策を講じる方針を示しており、事態の沈静化につながるかは見通せない。

     イスラエル側は今月14日にイスラエル国籍を持つパレスチナ人3人が警官を銃撃した事件を受けて、16日にイスラム教徒がハラム・アッシャリーフ(高貴なる聖域)=ユダヤ名・神殿の丘=と呼ぶ三大聖地の一つの入り口に、イスラム教徒専用の金属探知機を設置した。

     この聖地には、イスラム教の預言者ムハンマドが昇天したとされる「聖なる岩」を抱える「岩のドーム」や、イスラム教徒のシンボルとなっているアルアクサ・モスク(イスラム礼拝所)があり、ユダヤ教の聖地「嘆きの壁」もある。

     イスラム教徒が反発を強めたのは、イスラエル側が聖地の管理に一方的な変更を加えて「聖地の占領化」を進めているのでは、との疑念が広がったためだ。

     金曜礼拝が行われた21日には、エルサレム旧市街やパレスチナ自治区ヨルダン川西岸各地で大規模な抗議行動に発展。イスラエル治安部隊との衝突でパレスチナ人3人が死亡、約400人が負傷した。21日夜にはパレスチナ人がユダヤ人入植地に侵入し、3人を刺殺する事件が起きた。23日には、パレスチナ人が人口の約7割を占める隣国ヨルダンのイスラエル大使館敷地内で、イスラエルへの反発が原因とみられる襲撃事件が発生している。

     「エルサレムの旧市街、イスラエルとパレスチナを超え、中東そのものに破滅的な代償を与えかねない」。国連のムラデノフ中東担当特使は24日に米ニューヨークの国連本部で開かれた国連安全保障理事会の緊急会合後にこう警告した。トランプ米政権の中東特使を務めるグリーンブラット氏も24日、イスラエルを訪問してネタニヤフ首相と会談。さらにヨルダンに飛び、混乱回避のため仲介に乗り出した。

     イスラエル政府は25日未明に開いた治安担当閣僚会議で金属探知機の撤去を決定し、その代わりに「先進技術を活用した検査」を導入する方針を明らかにした。高性能の監視カメラなどが旧市街に導入される見通しだ。

     パレスチナ自治政府のアッバス議長は21日に「金属探知機を撤去するまで、イスラエルとの全てのレベルで連絡を停止する」と宣言しており、金属探知機の撤去によって緊張状態は一定程度緩和されるとみられる。だが、イスラエル側が一方的に新たな対策を導入すれば、パレスチナの怒りが増幅する恐れがある。

     ◆イスラエル・パレスチナ間の衝突の歴史◆

    1948年 パレスチナでユダヤ人国家イスラエル建国

    1967年 第3次中東戦争でイスラエルがガザ地区とヨルダン川西岸、東エルサレムを占領

    1987年 第1次インティファーダ(反イスラエル闘争、~93年)

     パレスチナ人が投石やデモなどの草の根的な抗議活動を開始。イスラエル軍が武力鎮圧に動き、双方合わせて千数百人が死亡

    1993年 オスロ合意で西岸とガザでのパレスチナ人の暫定自治を認める

    1995年 オスロ合意に調印したイスラエルのラビン首相が極右ユダヤ人青年に暗殺される

    2000年 第2次インティファーダ(~05年)

     イスラエルの右派政党リクードのシャロン党首が、エルサレムのイスラム、ユダヤ両教の聖地を強行訪問。パレスチナ人武装組織各派とイスラエル軍との間で武力衝突に発展。双方の死者は計4000人以上に

    2005年 イスラエル・パレスチナ首脳が「暴力停止」で合意。イスラエルがガザから撤退

    2015年 パレスチナ・イスラエル間の衝突が再燃。パレスチナの若者が、刃物などでユダヤ人を襲撃する事件が続発

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