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旧優生保護法

知的障害者に不妊手術 開示記録で裏付け

不妊手術の記録を前に会見する当事者の女性(奥)と義理の姉。「妹は日常的に腹痛を訴えていた」と証言する=宮城県庁で2017年7月26日、中川聡子撮影

 障害者や遺伝性疾患を持つ人の不妊手術や中絶を認めていた旧優生保護法を巡り、宮城県在住の知的障害を持つ60代女性が強制的不妊手術を受けたことを示す記録が、情報開示請求で見つかった。障害者の不妊手術の証言が公的文書で裏付けられるのは初めて。26日に同県内で記者会見した女性の義理の姉は「手術で多くの人の心身が傷ついた。これ以上、障害者がおろそかにされることがあってはならない」と訴えた。

 1948年に制定された旧優生保護法は「不良な子孫の出生を防止する」として、一部の遺伝性の病気や精神障害の人に強制的な不妊手術を認めており、約1万6500人が対象になった。同意を得た上での不妊手術・中絶を含めると、約8万4000件が実施されたとされる。96年に優生思想に関連する規定が削除され、母体保護法に改定された。

 女性は6月、義理の姉とともに、県に対し自身の優生手術の記録を情報開示請求した。今回明らかになった記録は県で保管されている優生手術台帳の一部で、72年12月に「遺伝性精神薄弱」として、県内の病院で不妊手術を受けたことが記載されている。宮城県内では72年は強制的不妊手術の実施記録しかないため、女性は強制手術だったと見られる。

 義理の姉は「妹の体には今も大きな傷が残る。手術に何の意味があったのか」と問いかける。

 これまでに県内の70代女性が63年に手術を受けたと訴え出ているが、県は当時の記録を保管していないとしている。優生手術を巡っては、国連女性差別撤廃委員会が2016年3月、国に被害の実態調査と補償を行うよう勧告した。女性を支援する障害者支援団体「CILたすけっと」の杉山裕信事務局長は「障害者の被害の訴えが初めて公的記録で裏付けられた。国に対して謝罪や被害補償を求めていきたい」と話す。【中川聡子】

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