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渡辺保・評 『歌舞伎とはいかなる演劇か』=武井協三・著

 (八木書店・9504円)

 寛文元(一六六一)年、京都で隆盛を誇っていた歌舞伎が一斉に禁止された。役者たちは地方や江戸へ下った。これを「下り花」という。花のスターが地方へ下るという意味である。

 その一団の中に今村久米之助という若衆がいた。当時十四、十五歳。まだ芸も未熟であった。しかし江戸へ来て間もなく久米之助は女形になり、その色白の美貌、小さな口、甲高く細い声、上品な姿でたちまち人気役者になった。その上品さから赤染衛門、小式部内侍、弘徽(こき)殿の女御といった平安時代の宮中の女性の役で評判になった。二十代前後である。

 二十九歳か三十歳で今村久右衛門と改名。年増の女性に扮(ふん)する花車方(かしゃがた)になった。そして元禄時代には、若衆の抱え主になり、小舞庄左衛門という役者と同棲(どうせい)して、五十歳頃に死んだ。

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