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鴻巣友季子・評 『ウォークス 歩くことの精神史』=レベッカ・ソルニット著

 (左右社・4860円)

思索と創造の原動力に

 「歩くこと」の精神史を網羅的に論じた大作である。

 猿人が直立歩行を始めて以来、数百万年の時を経て、歩行はサバイバルのための生物的戦略から、思索と創造の原動力、推進力へと変わっていった。欧州において文化的歩行の原点には、思索する散歩者ルソーがいる。

 第一部「思索の足取り」は、身体を通じた歩行と思考の連動を論ずる。なぜ近現代人は歩くと考えられるのだろう? ひとつには、ディストラクション(気を散らすもの・こと)という抵抗要素があるのではないか。キェルケゴールは、街の喧騒(けんそう)から離れるより、騒乱に抗して思考するからこそ、無限に湧きでる想念を受け止められる、と言う。

 一方、歩行は祈りや信仰の発露でもある。その巡礼の精神は、古来の聖地参りから、患者の支援金集めの「エ…

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