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国立がん研究センター東病院で患者相談に携わる、坂本はと恵さんが、がん患者やその家族に向けて、役立つ情報や支えとなる話をつづります。

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がん、体験者交流で前へ=国立がん研究センター東病院 がん相談統括専門職 坂本はと恵

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がん体験者やその家族との交流の場
がん体験者やその家族との交流の場

 「がんと診断された以上は、もう今までのように仕事をして子供や妻を養うことはできない。それでは、生きる意義や希望がない」。最近、こうした言葉をお聞きする度に、思い出す言葉があります。

 「私が今死んだら、人はどう思うでしょうか。『まだ34歳の若さで、可哀想に』『小さな子供を残して、可哀想に』でしょうか? 私は、そんなふうには思われたくありません。なぜなら、病気になったことが私の人生を代表する出来事ではないからです。私の人生は、夢を叶(かな)え、時に苦しみもがき、愛する人に出会い、2人の宝物を授かり、家族に愛され、愛した、色どり豊かな人生だからです」。先月亡くなった小林麻央さんが昨年11月、イギリスBBC「100人の女性」に選ばれた時に寄稿した文章の一部です。

 この言葉を拝見した時、がんの診断を受けたからといって、それまでの人生すべてががんによって失われるわけでないこと、加えて、先に歩む患者さんのメッセージこそが、まさに今、がんと診断を受け、歩む道が見えなくなっている患者さんにとって希望となり力となるのだろうということを、強く感じさせられたことを覚えています。

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