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敵、生かしてこそリーダーの器 攻撃にはユーモア 議論いとわず

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首脳会談を前に握手を交わす安倍晋三首相(右)とドイツのアンゲラ・メルケル首相=首相官邸で2015年3月9日、長谷川直亮撮影
首脳会談を前に握手を交わす安倍晋三首相(右)とドイツのアンゲラ・メルケル首相=首相官邸で2015年3月9日、長谷川直亮撮影

 政治家が公の場で批判された時に、どう対応すればいいのか。安倍晋三首相の場合、7月の東京都議選の応援演説で「こんな人たち」と発言し、支持率低下を自ら招いた。3日に予定される内閣改造を機に「リーダーの器」を考えた。【鈴木美穂】

 ドイツのメルケル首相には、こんな逸話がある。2009年5月、ベルリンのフンボルト大での講演中、会場の数人の学生たちが突然、横断幕を掲げて演壇に近い通路に集まり、政府の大学政策に対する抗議のコールを始めた。会場の外とも呼応し、抗議は5分以上続いた。メルケルさんはじっと聞いていたが、コールが途切れたタイミングで、静かに諭した。「あなたたちの言い分は分かった。今は講演会の最中だから。もう下がって」。すると、学生は「はい」と言って席に戻り、その後は、何事もなかったかのように講演が再開した。

 慶応義塾大メディア・コミュニケーション研究所の鈴木秀美教授(憲法)は、ドイツの憲法制定60周年を記念して開かれた国際会議に出席するため訪独し、地元の研究者らに誘われてこの講演を聞いていた。安倍首相の「こんな人たち」発言を耳にした時、メルケル首相の当時の落ち着いた対応を思い出したという。鈴木さんは「日独両首相の器の差を感じました」と述懐する。

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