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記者の目

核兵器禁止条約を取材して=國枝すみれ(ニューヨーク支局)

「核兵器禁止条約」が採択され、会場で喜ぶカナダ在住の被爆者サーロー節子さん(前列中央)=7月7日、ニューヨークの国連本部で、共同

 ニューヨークの国連本部で7月7日、核兵器禁止条約が採択された。核兵器の非保有国代表団の間で固い握手が交わされ、非政府組織(NGO)が陣取る後部席からは歓喜の口笛が飛んだ。一方、米露などの核保有国は交渉会議への参加すら拒んだ。会場内の盛り上がりとは裏腹のこの落差に、核軍縮の難しさを見る思いがした。

 会議には市民社会を代表してNGOや学者も参加した。カナダ人の医者、ジョン・ルアー氏は「核が使用されたら医師は無力だ。核廃絶ほど重要な課題はない」と訴えた。イスラエルの反核活動家、シャロン・ドレブ氏(47)は「どの国も全人類を脅かす兵器を持つ権利はない」と話した。その通りだと思う。

 しかし、核軍縮に長年携わる国連関係者は「核兵器に代わり得る兵器が開発されない限り、核保有国は核を手放さない」と言い切る。人道的、道義的な理由から核廃絶の機運が高まっても、米露など核保有国のみならず「核の傘」に身を委ねる日本なども、核抑止論を盾に核兵器を正当化する。安全保障を犠牲にすることは決してないという。

 それもその通りだろう。保有国の多くは「段階的に削減する」と約束しながら、核兵器を更新したり、増やしたりしている。軍需企業が強い影響力を持つ米国では実質的な核軍縮は困難だ。「核なき世界」を目指したオバマ前大統領が2010年、新戦略兵器削減条約(新START)でロシアと核削減に合意した際、米議会は称賛するどころか「(核兵器の近代化などのために)核関連予算を増やさない限り、批准しない」と抵抗した。オバ…

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