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被爆3世は歌う/3 津波に襲われたピアノ 修復の音、魂揺さぶる 傷痕、生き抜いた証し /埼玉

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東日本大震災で津波をかぶりながらも修復されたグランドピアノを磨く鈴木由美さん。屋根や側板には大きな傷痕が残る=宮城県七ケ浜町の中央公民館で
東日本大震災で津波をかぶりながらも修復されたグランドピアノを磨く鈴木由美さん。屋根や側板には大きな傷痕が残る=宮城県七ケ浜町の中央公民館で

 散乱するがれきの上に、黒いグランドピアノがぽつんと置かれていた。2011年3月11日の東日本大震災で津波に襲われた宮城県七ケ浜(しちがはま)町。広島市出身で被爆3世の女性シンガー・ソングライター、Metis(メティス)さん(33)=蓮田市=は同年4月、この場所を通り掛かり、ピアノに目を留めた。

 七ケ浜町は、仙台市や多賀城市の東側に突き出た半島状の地形で、津波の高さは最大で12・1メートルに達し、町の面積の4割近くが浸水。メティスさんは当時のマネジャーと避難所の支援に訪れていたが、自問していた。「音楽に携わる人間として何ができるのか」。その答えの一つが、ピアノの修復だった。

 被災者支援団体を通じ、持ち主は塩釜市のピアノ講師、鈴木由美さん(52)だったことが判明。ピアノはヤマハの1980年製で、鈴木さんが高校の音楽科へ進学した際に買い、実家の離れの2階にあった。津波で流された離れのがれきに埋もれていたが、がれきを整理した重機のオペレーターがそのまま残しておいたとみられた。

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