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障害者総合誌

「街に出よう」次章へ…地域で生きる、終刊

最終号を前に編集会議を開く「そよ風のように街に出よう」の小林敏昭副編集長(左から3人目)ら=大阪市内で7月、久保玲撮影

 大阪を拠点に38年にわたり、地域で生きる障害者たちの実感と声を読者に届けてきた障害者問題総合誌「そよ風のように街に出よう」が、7月末発行の第91号で終刊した。時代の変化を背景に「当初の役目は終えた」との判断で、今後は新たな発信へと駒を進める。【畑律江】

     「そよ風~」は1979年、大阪市東淀川区内に編集部を置き、編集長の河野秀忠さん(74)を中心に季刊誌として創刊。「障害者自身の立ち上がりをよりどころとした本づくり」「身体と実感に支えられた本づくり」などを編集指針に掲げた。普通学校への就学を求めて闘う親子や、結婚・出産した重度女性障害者のルポは、障害者が地域で当たり前に生きようとした時に立ちはだかる問題を浮き彫りにした。また、街で次々に介護者を見つけ、車いすで一人旅する青年の報告などは、さわやかな感動を呼んだ。

     取り次ぎを通さず、直接読者に届ける販売方式。そこから情報を得て、取材の輪を広げた。反響は大きく、発行部数は一時1万部に。創刊時から編集に携わり、現在は被災障害者支援「ゆめ風基金」代表理事を務める牧口一二さん(79)は「障害者の多様な考えがわかり、目からウロコが落ちる思いを何度もしました」と話す。放送作家で随筆家の故永六輔さん、作家の故松下竜一さんらも快く執筆を引き受けた。

     だが近年は、駅や公共施設のバリアフリー化が進んで街に出る障害者が増え、雑誌以外の発信手段を手に入れる人も増えた。編集スタッフの高齢化もあり、一昨年に終刊の方向を決めた。河野編集長は昨年から病気療養中で、その後は副編集長の小林敏昭さん(66)が受け継いできた。

     だが終刊決定後も、昨夏に相模原市の障害者入所施設で起きた殺傷事件は、編集部を波立たせた。小林さんは「命に優劣をつける優生思想が表面に出てきたように思えた」とし、「これからもものを言い続けていかなければ」と話す。最終号には「明日に向かって語れ!」と題した座談会、相模原事件に関する取材記事を掲載した。

     事務所、ホームページは今後しばらく継続させる。最終号は1部700円。連絡先は編集部(06・6323・5523)。

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