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世界陸上

サニブラウンに期待 「素質より学び」開花

ロンドン大会男子100m、200mの日本代表は?

中高6年間指導の教諭「何でも学ぼうとする姿勢のたまもの」

 5日(日本時間)にロンドンで始まる陸上の世界選手権で、日本代表サニブラウン・ハキーム(18)=東京陸協=への期待が高まっている。6月、大阪での日本選手権で100メートルと200メートルの2冠に輝き代表に選ばれた。いったいどんな選手なのか。【岸達也】

     日本は世界選手権の男子100メートルに3人、同200メートルに2人を派遣する。サニブラウンは最も若く、唯一両方に出場する。

     日本生まれで、父はガーナ出身。母は日本人で高校時代に陸上選手だった。それでも、中学、高校と6年間指導した東京・城西高の山村貴彦教諭は「ハーフだから活躍すると言いたがる人もいるが、違う」と語る。実際、100メートルでガーナの国内記録9秒98は日本を0秒02上回るが、200メートルでは日本の20秒03がガーナを0秒12上回っている。「友人や家族に恵まれ、素朴で何でも学ぼうとしてきたので、ここまで強くなったのでしょう」

     山村さんによると骨盤が他の日本人選手よりやや前傾し、腰回りの骨格や筋肉が欧米の優れた短距離選手に似ている。身長188センチで、ストライドは他の日本のトップ選手に比べ平均10センチほど長いとみられ、100メートルを3~4歩少ない歩数で走り抜ける。半面、上半身は短距離には不利ななで肩で貧血にも悩まされ、あらゆる点で身体的に恵まれているわけではなかった。

     彼が注目されたのは2015年7月、南米コロンビアでの17歳以下の陸上世界ユース選手権。その男子200メートル決勝で、人類最速の男ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が03年に出した大会記録を0秒06上回る20秒34の新記録で優勝した。決勝レースでのリアクションタイム(号砲に反応して走り始めるまでの時間)は8人中8位と出遅れたが、走力で他を圧倒した。さらに100メートルでも10秒28の大会新記録で優勝。日本人で初めて国際陸上競技連盟からその年の新人賞に選ばれ、逸材だと陸上競技関係者から注目されてきた。

     中学では急速に背が伸びる影響で成長痛に苦しんだ。「痛い」と訴え、競技から遠ざかった時期も。上級生にかわいがられ、学校で流行のゲームの話をする普通の少年だった。

     高校時代にリオ五輪のチャンスが巡ってきたが、直前のけがで出られなかった。それでも、冷静に将来を見据えて得意な英語を磨き、優れた陸上選手を多く生んだ米国で専門的に陸上競技に取り組む環境を整えた。今年秋から米南部のフロリダ大に進学する。それまではオランダを拠点に欧州各地やアフリカなどで練習を積む。

     本人は「ボルト選手も(世界選手権が)最後ということなので、決勝で戦えるように頑張りたい」と闘志をのぞかせる。

     陸上関係者は「大舞台での強さ」を指摘する。これまで大きな大会で自己ベストを更新してきた。日本の陸上界では、桐生祥秀(よしひで)(21)=東洋大=らが悲願の100メートル9秒台にあと一歩のところで足踏みを続けている。18歳の若者が、ロンドンの地で「10秒の壁」を突破するのでは、と期待が高まっている。

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