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沼野充義・評 『自分とは違った人たちとどう向き合うか 難民問題から考える』=ジグムント・バウマン著

 (青土社・1944円)

原理的な道徳の課題として

 二〇一五年九月、トルコのある海岸に流れ着いた幼児の遺体の写真が、世界を駆け巡った。避難先のトルコからさらにギリシャに密航しようとしたクルド系シリア人一家の乗った船が転覆し、犠牲となったのだった。ここで取り上げる本の著者、バウマンによればこういった映像は人々に「祝祭的な連帯や共感」を呼び起こすのだが、その期間はごく短い。実際、西欧ではその後、イスラム教過激派によるものと思われるテロ事件があい次いで起こり、押し寄せる膨大なシリア難民を背景に、移民排斥を掲げる右翼勢力がより広範な大衆から支持を受けるようになった。

 移民という現象は、最近に始まったことではなく、人類は太古の時代から移動を繰り返してきたとも言えるが…

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