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佐藤優・評 『トランプ時代の日米新ルール』=薮中三十二・著

 (PHP新書・929円)

米朝二国間交渉は始まるか

 外務省の元事務次官で、米国事情に通暁し、対北朝鮮交渉に長年従事した薮中三十二氏による優れた外交分析書だ。

 薮中氏はトランプ大統領が進める「アメリカ・ファースト(米国第一)」政策について冷めた見方を示し、こう述べる。<今後ともアメリカ経済は、二十一世紀のアメリカ経済の発展を牽引(けんいん)してきたIT産業と金融資本によって支えられていくと考えられ、アメリカでふたたび鉄鋼産業などが復興することは考え難い。したがってニューヨークやカリフォルニアを中心とした地域がアメリカ発展の主体となり続けると予想され、トランプ政権の掲げた排他的な政策やアメリカ・ファーストの主張は一時的なものかもしれない。/しかしながら、トランプ政権が四年間は続くわけであり、その間の政策はトランプ流の考えに大きく左右されることは間違いない。そしていったん、排他的となった制度を元の自由で開放的な制度に戻すためには多大なエネルギーと時間を要することが考えられる>。トランプ政権の誕生による混乱は、当面続くということだ。

 薮中氏は、トランプ政権が、北朝鮮と二国間交渉を始めるのではないかという見方を示す。まず、北朝鮮の論理について、<北朝鮮がアメリカとの二国間協議を要求するのには北朝鮮なりのロジックがある。北朝鮮は、「なぜ核開発をするかといえば、アメリカが北朝鮮を敵視してきたからである。(略)」><韓国に対しても優位を示すことができ、国内的にも、「アメリカと並ぶ強国なのだ」と国民に示すことができるという思惑もあった…

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