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●息子の説教にニヤリ
私が卒母を意識したのは第1子の長男が0歳の時でした。以前、我が家で出産した犬や猫の赤ん坊と全く同じ仕草をし、同じ声を出すのです。その時私は悟りました。この哺乳類ヒト科の動物を20歳までに人間に育て、世に送り出すのが親の役目だと。第2子の長女も同様でした。子は授かり物というより、預かり物と感じました。人間はまず動物として健康でなければと思って育てました。
子離れとか親離れとかの意識もなく、いつの間にか2人とも自然に巣立っていきました。今、私は80代で夫に先立たれ、子供たちは50代ですが、嫁や孫も友達のような感覚です。息子は時々親のような顔で私に説教をします。私は口答えをしたり、ハイハイと言ったりしますが、内心ニヤリとして幸せを感じます。頭と体が元気なうちは、生まれて初めての1人暮らしを楽しむつもりです。(静岡県熱海市、まきずし、86歳)
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