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防空壕の思い出 静岡市葵区・安藤勝志(無職・75歳)

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 8月になるとふるさとの防空壕(ごう)のある光景を思い出す。私の父が掘ったものだ。

 太平洋戦争の末期には、私の生まれ育った愛知県東部の農村地帯でも空襲警報のサイレンが鳴った。村境の川の対岸に、東洋一の兵器工場とされた豊川海軍工廠(こうしょう)があったからだ。

 生家の背後に神社のある小高い丘があり、深い樹林に覆われていた。父はその中腹に横穴式の防空壕を掘ったのだ。当時すでに40代だった父は出征を免れていた。防空壕は、母と姉2人と私を守るために造ったのだろう。

 しかし、その防空壕はあまり役立たなかった。戦争のさなかに大きな地震が相次いで起き、補強のない防空壕は崩壊する危険もあって、避難がはばかられた。灯火管制下の生家で、5人の家族が肩を寄せ合って過ごす日が続いた。

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