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都内総合病院

勤務医自殺は労災 直前、月残業173時間

品川労基署が認定 長時間残業で精神疾患発症が原因

 東京都内の総合病院産婦人科に勤務していた30代の研修医の男性が2015年に自殺したのは、長時間残業で精神疾患を発症したのが原因だったとして、東京労働局品川労働基準監督署が労災認定したことが分かった。男性の両親の代理人を務める川人博弁護士が9日、都内で記者会見して明らかにした。認定は今年7月31日付。

     男性は15年7月12日に自殺。労基署の決定などによると、直前1カ月の残業は約173時間で過労死ライン(直前1カ月100時間)を大幅に超えていた。

     弁護士によると、電子カルテへのアクセス記録などを集計したところ、直前2~6カ月の残業は月約143~209時間だった。電通の新入社員で15年12月に過労自殺した高橋まつりさん(当時24歳)の場合、三田労基署の認定は直前1カ月の残業が105時間で、川人弁護士が電通本社ビルの入退館記録を基に算出すると、最長で月130時間だった。

     産婦人科の医師は約10人いたが、長時間残業と休日勤務が常態化していて、男性は直前6カ月で5日間しか休んでいなかった。月に4回程度の当直勤務のほか、連続30時間以上拘束されることもあった。病院近くの寮に住み、妊婦の急変などで休日に呼び出されることも頻繁だったという。

     両親は弁護士を通じ、「息子は激務に懸命の思いで向かい、業務から逃げることなく医師としての責任を果たそうとした」「医師も人間であり、労働者。労働環境が整備されなければ、不幸は繰り返される」とコメントした。一方、病院の管理課長は取材に「何も話せない」と答えた。【早川健人】

    働き方改革で例外扱い 「医師の過労死促進、撤回すべきだ」

     昨年1月に亡くなった新潟市民病院の女性(当時37歳)に続き、研修医の過労自殺が労災認定された。医師は政府の働き方改革で残業時間に上限が設けられた後も例外扱いが5年間続く。川人弁護士は会見で「医師の過労死を放置、促進する。撤回すべきだ」と強調した。

     政府は今秋の臨時国会に労働基準法の改正案を提出する。施行後、一般の職業の残業は単月100時間未満、2~6カ月で月平均80時間以内、年720時間以内が上限となるが、正当な理由なく診療を拒めない「応招義務」がある医師への適用は5年間猶予される。

     厚生労働省によると、過労死や過労自殺(未遂含む)で16年度に労災認定された医師は4人に上る。【早川健人】

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