メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

SL「大樹」運行復活 51年ぶりの汽笛

小雨が降る中、鬼怒川温泉駅を発車するSL「大樹」の営業1番列車=栃木県日光市で2017年8月10日午後2時38分、内林克行撮影

 東武鉄道が日光市の鬼怒川線で10日、約半世紀ぶりに運行を復活した蒸気機関車(SL)「大樹(たいじゅ)」。「鉄道産業文化遺産の保存と活用」という理念から始まったSLは、日光の観光振興や活力創出との願いも乗せて走り出した。【花野井誠】

     東武鉄道のSLは1966(昭和41)年6月に佐野線で貨物運行を終了して以来、51年ぶり。運行復活にあたり、鉄道産業文化遺産の保存と活用▽日光・鬼怒川エリアの活性化▽東北復興支援--を目的に準備を進めた。

     営業1番列車が出発する鬼怒川温泉駅には観光客らが詰めかけ、熱気に包まれた。駅前の転車台にSLが到着し方向転換を始めると人垣ができ、汽笛の大音響に驚いた観光客の間で、どよめきが起こった。

    SL「大樹」が方向転換する様子をカメラに収める大勢の観光客ら=栃木県日光市の東武鉄道鬼怒川温泉駅前で2017年8月10日午後1時37分、内林克行撮影

     ホームでは記念式典が行われ、この日に10歳の誕生日を迎えた日光市立今市第三小4年の藤原大樹(たいき)さん(10)が招かれ、安生和宏駅長らとテープカットした。満席の一番列車は観光客らに見送られ下今市駅へ出発した。

     営業運転に先立ち、下今市駅では出発式典が行われ、根津嘉澄社長や石井啓一国土交通相、吉野正芳復興相、福田富一知事らが出席した。根津社長は「SLが地域活性化の一翼を担う恒久的観光資源として育ってほしい」とあいさつした。

    小雨が降る中、地元の人たちに見送られながら鬼怒川温泉駅を発車するSL「大樹」の営業1番列車=栃木県日光市で2017年8月10日午後2時37分、内林克行撮影

    「機関助士と息を合わせ、快適な運行を」機関士の仲沼さん

    祝賀列車の機関士を務めた仲沼和希さん=栃木県日光市の東武下今市駅で2017年8月8日午後4時1分、花野井誠撮影

     SL大樹の営業運行に先立ち、来賓を乗せた祝賀列車の機関士を任された仲沼和希さん(50)は乗車を前に「緊張しています」と語り、武骨な車体を見上げ気を引き締めた。

     1988年から30年近く東武野田線で電車の運転士を務めてきた。同社が掲げた「鉄道産業文化遺産の保存と活用」の理念に共感し、「自分も鉄道マンとして、その一員になりたい」とSLの機関士を志願した。2016年から1年間、秩父鉄道で訓練を重ね、電車とは勝手が違う操縦に苦労した。SL研修前には貨物輸送の電気機関車を操縦し、SLと仕組みが似ているブレーキ操作の感覚を養った。

     仲沼さんは「覚えたことは操縦技術だけではない」と研修を振り返る。電車は1人でも動かせるが、「鉄の生き物」とも例えられるSLを動かすには2人の機関助士とのコンビネーションが不可欠。秩父鉄道では「3人1組で『息を合わせる』チームワーク」の大切さも認識できたという。乗務員が乗客に手を振り笑顔を見せる「おもてなし」対応も目の当たりにした。

     SLが走る鬼怒川線は曲線と急勾配が続く「SL泣かせ」の半面、機関士と助士の腕の見せどころでもある。「乗務員の息を合わせ、快適な運行に努めます」と力を込めた。【花野井誠】

    関連記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 衆院選 投票したら替え玉無料 「一風堂」が「選挙割」
    2. 東急 三軒茶屋駅で停電 田園都市線など一時運転見合わせ
    3. 日産 国内全工場で出荷停止 無資格検査で
    4. 水戸・遺体 不明男性「殴った」肋骨数本折れる
    5. 名大病院 がん兆候、情報共有されず 50代の男性が死亡

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]