歌舞伎俳優、中村雅楽(がらく)は、8月の第2日曜日の朝、新大阪から新幹線こだま号のグリーン車に東都新聞文化部記者の竹野と共に乗り込んだ。東京駅到着までの間に雅楽が遭遇したできごとをめぐる推理物である。
歌舞伎評論に大きな足跡を残した戸板らしく随所に傾けられた芝居のうんちくも魅力の雅楽物は、1958年の「車引殺人事件」を皮切りに、長編2本、短編80本以上が発表された。
雅楽は故実に通じる明治生まれの幹部俳優。推理力に優れ、演劇担当記者の竹野を助手とし、主に劇界で起きる事件の謎を次々と解明する。「グリーン車の子供」当時は80歳。神経痛で足が動かなくなり、舞台を休んで7年の設定だ。
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