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今週の本棚

池澤夏樹・評 『虹の鳥』=目取真俊・著

 (影書房・1944円)

 二十年前に「水滴」で芥川賞を得た目取真俊(めどるましゅん)が二〇〇六年に発表した小説である。

 つまり今回のは新装版。それを敢(あ)えてここで取り上げるのは、第一にこれが現代の沖縄を描いた傑作であり、第二に彼がこの作品の後はほとんど小説を書いていないからだ。この時期以降、彼は普天間基地返還闘争に全力を投入している。今はそちらが大事と判断したのだろう。これほどの文学的才能を持ちながら、と嘆く資格はぼくにはない。

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