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今週の本棚

『塔と重力』 著者・上田岳弘さん

 ◆上田岳弘(うえだ・たかひろ)さん

 (新潮社・1728円)

 2人の男がたびたび酒を飲んでは語り合い、思弁を深めていく。人は代替可能なのか。そもそも何をもって人の固有性は担保されているのか。主人公の「僕」こと田辺の一人称と、その友人の水上が書いた小説らしき文章が交互に語り手を務める。「インターネットで個々人の体験や感情を見られる今、人間は自分だけの視点では生きていない。それを表現しました」

 東京でベンチャー企業の役員として成功している38歳の田辺には約20年前、予備校仲間に美希子という初恋の人がいた。みんなで勉強合宿のさなかだった1995年1月17日、泊まっていた神戸市のホテルが大地震で倒壊。自分は助かって大学に進んだが、美希子は還らなかった。「このままいけば初体験の相手は美希子になるはずだったのがそうならなかったという、すごく私的なものの間に震災という公的なものが挟まる状況を書き…

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