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印パ独立70年

インドとパキスタンの分離独立から今年で70年。独立以来、3度の戦火を交えた二つの核保有国はどこへ向かうのか。まずは印パ両国が領有権を争う対立の地、カシミールを訪ねた。

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印パ独立70年

第2部 核脅威のエスカレーション/中 核使用、低いハードル パキスタンの応戦、現実味

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パキスタン軍が7月に公開した戦術核ミサイル「ナスル」の発射実験の模様。車両から発射でき機動性が高い=パキスタン軍統合広報局のウェブサイトより
パキスタン軍が7月に公開した戦術核ミサイル「ナスル」の発射実験の模様。車両から発射でき機動性が高い=パキスタン軍統合広報局のウェブサイトより

 車両に搭載されたミサイルがごう音とともに空に飛び出し、目標を示す旗の近くに落下した--。パキスタン軍が今年7月に映像を公開した短距離ミサイル「ナスル」(射程70キロ)の発射実験。限定的な核攻撃が可能だとされる代表的な戦術核ミサイルで、この実験で射程を10キロ延ばした。バジュワ陸軍参謀長は実験成功をたたえ、声明を発表した。「ナスルは『コールドスタート』にコールドウオーター(冷水)を浴びせた」

 「コールドスタート」は、国境を挟み対立するインドが採用している軍事ドクトリンだ。パキスタンが支援する武装勢力により大規模な越境テロが発生した場合、即座に国境付近に軍を動員し、48時間以内に越境攻撃を実施する。領土を占拠するのが目的ではなく、あくまでも特定の軍事目標を素早く破壊して引き揚げる作戦だ。パキスタンが核の使用を決断する前に懲罰的な攻撃を終えることに主眼が置かれている。

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