連載
第二次世界大戦が終わってから72年。戦後生まれが人口の8割を占め、日本人だけで310万人が亡くなった悲劇も実感が薄れ「歴史」になりつつあるが、戦争をテーマに表現する人たちがいる。狙いは何か。課題は。創作に込める思いを語ってもらう。
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
戦後間もなく、長崎市の爆心地、今の平和公園に一本の巨大な矢が突き刺さった。矢羽根の形をしたこのモニュメントは、原爆が落とされた「まさにここ」を指し示す標柱だった。東京在住の美術家、小田原のどかさん(31)は矢形標柱を「戦後日本の野外彫刻の起点」と捉え、それをモチーフに立体を制作している。「彫刻がいかに歴史に左右されてきたのか、知らない彫刻家もいる。戦争と彫刻の関わりを今改めて検証する必要がある」と語る。
この記事は有料記事です。
残り1252文字(全文1456文字)