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イスラエル・エンドレスウォー

第3章 インテリジェンス最前線/1(その1) 97年ハマス幹部暗殺未遂

 【エルサレム大治朋子】1997年、イスラエルの諜報(ちょうほう)機関モサドが隣国の友好国ヨルダンで、イスラム原理主義組織ハマスの当時の政治部門トップ、ハレド・メシャル氏(当時41歳)の暗殺を試みた。シナリオを描いた当時のモサド長官、ダニー・ヤトム氏(72)は毎日新聞の取材に詳細な舞台裏を明かした。それは、イスラエルや米国が「テロ対策」として正当化する「自衛のための先制攻撃」の危うさを物語る内容だった。(3面にクローズアップ)

 イスラエルは67年6月、第3次中東戦争でヨルダン川西岸や東エルサレムなどを占領、併合。抵抗するパレスチナ人に対し「テロの芽を摘む」として武装勢力幹部を暗殺してきた。97年夏もハマスの自爆攻撃が続き、当時首相だったネタニヤフ氏は治安機関に報復案を要請。国際法は報復を禁じているが、ヤトム氏は暗殺リストを作成し首相も同意した。だがその後首相は「(リストになかった)メシャルを狙いたい」と翻意。政治部門最高幹部だったが、戦闘部門の「最高司令官と見なした」という。世間に知られた「顔」を暗殺することで、メンツ回復を狙ったようにも見える。

 モサドは首相直轄の組織で、暗殺や工作活動について定める明文の規定はない。ヤトム氏は薬物使用を選んだ理由について「静かな方法が必要だった。友好国ヨルダンのメンツをつぶしたくなかった。(微量なら、工作員が)身体検査を受けても見つからないし、遺体にも残らない」と語った。薬品名は「答えられない」としたが、首相府直轄の生物化学研究所で、モルヒネの200倍の強さとされる合成麻薬性鎮痛薬フェンタニルを含む、体…

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